WEAOA02  学会賞受賞講演  8月11日 会議室A 17:30 - 17:50
常伝導加速器を用いた共振器型赤外自由電子レーザの引き出し効率向上に関する研究
Research and development on improvement of extraction efficiency of free electron laser oscillator driven by a normal conducting accelerator
 
○全 炳俊(京都大学エネルギー理工学研究所)
○Heishun Zen (Kyoto Univ. IAE)
 
共振器型赤外自由電子レーザは大強度広帯域波長可変レーザの一つであり、電子加速器により供給される高輝度高エネルギー電子ビームの運動エネルギーを自由電子レーザ相互作用により電磁場エネルギーへと変換し、レーザ増幅・発振を行う装置である。この時の変換効率を引き出し効率と呼び、引き出し効率が高ければ高いほど大きなミクロパルスエネルギーが得られること、ミクロパルス長が引き出し効率に反比例することが知られている。これまで、マクロパルス長が短い電子ビームしか供給できない常伝導加速器では10%に迫る様な変換効率を得ることは困難であると考えられてきたが、京都大学小型中赤外自由電子レーザ装置(KU-FEL)において電子ビームの動的位相変調と電荷量増大により波長約11μmにおいて最大9.4%の引き出し効率を達成した。本発表ではこれまでに実施した引き出し効率向上に関する研究開発と共に、今後の展望について講演する。