TUP055  施設技術報告  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
理研加速器駆動小型中性子源RANSおよびRANS-II
RIKEN accelerator-driven compact neutron source RANS and RANS-II
 
○小林 知洋,大竹 淑恵,池田 翔太,池田 裕二郎,岩本 ちひろ,後藤 誠,高梨 宇宙,髙村 正人,竹谷 篤,橋口 孝夫,藤田 訓裕,松崎 義夫,水田 真紀,若林 泰生,Yan Mingfei(理研)
○Tomohiro Kobayashi, Yoshie Otake, Shota Ikeda, Yujiro Ikeda, Chihiro Iwamaoto, Makoto Goto, Takaoki Takanashi, Masato Takamura, Atsushi Taketani, Takao Hashiguchi, Kunihiro Fujita, Yoshio Matsuzaki, Maki Mizuta, Yasuo Wakabayashi, Mingfei Yan (RIKEN)
 
理化学研究所光量子工学研究センター(和光)の中性子ビーム技術開発チームでは7 MeV陽子線LINAC+BeターゲットのRANSおよび2.5 MeV陽子線LINAC+LiターゲットのRANS-IIの2台の中性子源が稼働している。2013年より稼働するRANSにおいては、最大5 MeVの中性子を1E12/sec発生させることが可能で、ポリエチレンモデレータによって減速した熱中性子を用いて、現在は透過/反射イメージング、小角散乱、回折、元素分析、検出器および線量計開発等の実験が行われている。RANSにおける技術開発・測定対象で大きな比率を占めるのは、インフラ構造物の非破壊検査である。特に反射(後方散乱)中性子を用いたイメージング技術は、劣化診断の現場で利用できれば非常に大きな力となる。そこで2016年よりさらに小型のRANS-IIの開発が開始された。RANS-IIの陽子発生量は1E11/secとRANSに比べて少ないものの、低エネルギーLi(p, n)反応の特性から中性子が前方に多く出射されるため、有効利用できる中性子の割合は高い。また、この特性によりターゲットを囲む遮蔽の量を大幅に削減することができ、RANSの20 tに対してRANS-IIでは3.5 tとなっている。RANS-IIでは2019年度より中性子発生を開始し、現在は反射イメージング、検出器開発、可搬化のためのパラメータ検討等が行われている。