TUP054  施設技術報告  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
iBNCT加速器の現状
Present status of iBNCT accelerator
 
○佐藤 将春,池上 清,帯名 崇,久保田 親,栗原 俊一,小林 仁,柴田 崇統,杉村 高志,高木 昭,高崎 栄一,内藤 富士雄,南茂 今朝雄,方 志高,福井 佑治,福田 将史,二ツ川 健太,本田 洋介,三浦 太一,宮島 司(KEK),熊田 博明,田中 進,松本 孔貴(筑波大),大場 俊幸,名倉 信明(NAT),豊島 寿一(アトックス),小栗 英知(JAEA)
○Masaharu Sato, Kiyoshi Ikegami, Takashi Obina, Chikashi Kubota, Toshikazu Kurihara, Hitoshi Kobayashi, Takanori Shibata, Takashi Sugimura, Akira Takagi, Eiichi Takasaki, Fujio Naito, Kesao Nanmo, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Masafumi Fukuda, Kenta Futatsukawa, Yosuke Honda, Taichi Miura, Tsukasa Miyajima (KEK), Hiroaki Kumada, Susumu Tanaka, Yoshitaka Matsumoto (Univ. of Tsukuba), Toshiyuki Ohba, Nobuaki Nagura (NAT), Toshikazu Toyoshima (ATOX), Hidetomo Oguri (JAEA)
 
次世代粒子線がん治療のひとつである加速器ベースのホウ素中性子捕捉療法(BNCT)をJ-PARCで実績のあるRFQおよびDTLからなる加速管構成により実現を目指すいばらきBNCT(iBNCT)計画では、8 MeVまで加速した陽子をベリリウム標的に照射して中性子を生成し治療に利用する。BNCTに必要な熱中性子束を得るためには陽子ビームの平均電流値として数mA程度必要であり、高いディーティーファクターが要求される。2019年度2月に発生したクライストロン電源高圧パルス半導体スイッチの故障により長らく運転を停止していたが2020年5月にビーム運転を再開し、非臨床・臨床試験へ向けてビーム繰り返し75 Hz・平均電流値2.1 mAで、2020年度後半からは中性子ビーム特性測定及び細胞やマウスを用いた生物照射試験を精力的に進めている。今年度は非臨床試験を完了すべく引き続き照射試験を繰り返し行う予定である。また更なる安定性及び将来的に繰り返しを上げてビーム電流を向上させる事を想定して、加速管冷却水の増強・安定化や真空系の増強などの装置の改修を段階的に行っている。本講演では現在までのiBNCT加速器の運転状況及び今後の見通しに関して報告する。