TUP025  ビーム診断・ビーム制御  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
高しきい値反応を利用したJ-PARCミュオン標的近傍のビームロスモニター
Beam loss monitor using nuclear reaction with high threshold-energy in the vicinity of J-PARC muon target
 
○山口 雄司,明午 伸一郎,大井 元貴,原田 正英,羽賀 勝洋(原子力機構 J-PARC)
○Yuji Yamaguchi, Shin-ichiro Meigo, Motoki Ooi, Masahide Harada, Katsuhiro Haga (J-PARC, JAEA)
 
J-PARCセンター物質・生命科学実験施設(MLF)では,3 GeV, 1 MWの陽子ビームを炭素,水銀標的に入射し,それぞれからミュオン,中性子を取り出してビームとして供給する。陽子ビームの効率的な利用の点から,厚さ2 cmのミュオン標的を中性子標的の上流に直列配置しているため,3 GeV陽子ビーム輸送施設(3NBT)ではミュオン標的近くのビームロスモニターで,標的からの放射線も背景事象として検出され,ビーム損失の正確な把握が課題となる。課題解決のため,ビーム損失事象と背景事象を識別可能なビームロスモニターとして,内壁にビスマス箔を設置した計数管の開発に着手した。ビーム損失事象と背景事象の識別には,各事象からの陽子,中性子がロスモニターに到達するまでの飛行時間の差に加え,高しきいエネルギーをもつビスマスの核分裂反応による高速陽子,中性子の選択的な検出の利用が有効と考えられる。本発表では,粒子輸送計算コードを用いたビスマス箔厚みの検討や選択的検出に必要な信号の波高成分の解析結果について報告する。