TUP011  加速器土木・放射線防護/真空  8月10日 会議室P 12:50 - 14:50
次世代放射光施設3GeV蓄積リングの真空システム
Storage ring vacuum system for 3-GeV next-generation synchrotron radiation facility
 
○田村 和宏,大石 真也,小路 正純,高野 史郎,渡部 貴宏(JASRI/理研/量研),正木 満博(JASRI/量研),高橋 直(理研/JASRI),谷内 友希子,上田 庸資(JASRI),西森 信行,保坂 勇志(量研)
○Kazuhiro Tamura, Masaya Oishi, Masazumi Shoji, Shiro Takano, Takahiro Watanabe (JASRI/RIKEN/QST), Mitsuhiro Masaki (JASRI/QST), Sunao Takahashi (RIKEN/JASRI), Yukiko Taniuchi, Yosuke Ueda (JASRI), Nobuyuki Nishimori, Yuji Hosaka (QST)
 
次世代放射光施設は、軟X線からテンダーX線領域の高輝度放射光源として、東北大学青葉山新キャンパスで建設が進められている。周長約350m、エネルギー3GeVの蓄積リングは、セルあたり4台の偏向電磁石を有する16のセルで構成されており、自然水平エミッタンス1.1nmrad、蓄積電流400mAを目指している。電磁石口径の狭小化に対応して真空チェンバの寸法が小さくなる低エミッタンスリングの真空システムでは、高効率の排気系の実現と、コンダクタンス確保のために磁石磁極との隙間を極力小さくして最大限の断面積を実現する真直度の高い真空チェンバの製作と設置が重要となる。次世代放射光施設3GeV蓄積リングの真空システムの検討に当たっては、同様の課題の解決に向けてSPring-8-II計画のため実施されたR&D、および基本設計を参考にして、インピーダンス対策の銅メッキを施した小口径ステンレス製真空チェンバ等の機器設計、ガス放出源となる分散配置の光吸収体の直近にNEGポンプとSIPを組み合わせて配置した効率の良い排気系の設計を行った。さらに、高輝度電子ビーム廃棄時に真空チェンバを保護するため、グラファイト製の電子ビーム吸収体をセル当たり1台設置した。本発表では詳細設計、実機製作が進められている次世代放射光施設3GeV蓄積リング真空システムの概要と、先行製作した1セル分の真空システムを用いた真空性能の検証、および磁石等との干渉確認試験の結果を報告する。