TUOB04  電子加速器①  8月10日 会議室B 16:50 - 17:10
ILCに向けたSTF-2クライオモジュールによる33 MV/mでのビーム加速実証
Demonstration of electron beam acceleration at 33 MV/m by STF-2 Cryomodules for ILC
 
○山本 康史(高エネルギー加速器研究機構)
○Yasuchika Yamamoto (High Energy Accelerator Research Organization)
 
2021年2月から4月にかけて高エネルギー加速器研究機構(KEK)内にある超伝導高周波試験施設(STF)にてSTF-2クライオモジュール(CM)の6回目の冷却試験およびビーム運転が行なわれた。昨年度、空洞の入替え作業を行ったCM2aの4空洞を含む全14空洞の性能確認が行われた後、4月からはビーム加速実証試験が始まった。様々な空洞調整、高周波調整、ビーム調整の結果、最終的なビームエネルギーは384.9 MeVに達し、さらに性能の良い9空洞に限定したビーム加速試験では、ビームエネルギーから求めた各空洞の平均加速勾配が32.9 MV/mとなった。これは国際リニアコライダー(ILC)計画の運転スペックである31.5 MV/mを満足するものであり、ILCの技術実証における重要なマイルストーンである。本講演では、冷却試験およびビーム加速実証試験の概要について報告する。