TUOB02  電子加速器①  8月10日 会議室B 16:10 - 16:30
レーザープラズマ航跡場入射用極短パルス線型加速器開発の現状
Current status of the development of a linac to inject ultra-short pulse electron beams into laser plasma wake fields
 
○益田 伸一,増田 剛正(高輝度光科学研究センター),田中 俊成,境 武志(日本大学),小柴 裕也,大塚 誠也(早稲田大学),坂上 和之(東京大学),熊谷 教孝,大竹 雄次(高輝度光科学研究センター)
○Shinichi Masuda, Takemasa Masuda (JASRI), Toshinari Tanaka, Takeshi Sakai (Nihon Univ.), Yuya Koshiba, Seiya Otsuka (Waseda Univ.), Kazuyuki Sakaue (Univ. Tokyo), Noritaka Kumagai, Yuji Otake (JASRI)
 
高強度極短パルスレーザーが励起するプラズマ波に電子を捕捉し加速するレーザー航跡場加速により、超小型電子加速器の実用化、その結果様々な分野での加速器の普及が期待されている。我々は、プラズマ波にその波長より短く(<10fs)、その横方向サイズよりも小さく(<100mm)、エネルギーの安定(<10^-4)な電子バンチを、精密に励起レーザーパルスと同期入射(ジッター <10fs)し、プラズマ波の加速特性を診断するためのCバンド極短パルス線形加速器の開発を行っている。第16回年会では、上記条件を満たす加速器の検討・設計を報告した。 我々は、上記の加速器を実現するため各構成要素の開発・製作を継続しており、現在の進捗状況を続報として述べる。上記電子バンチ寸法の実現については、設計仕様を満たす電子銃およびバンチャー加速管等の製作により、目処が立っている。本加速器では、上述したように、極めてエネルギーが安定で精密な同期が重要である。クライストロンモジュレータの大電力試験を行い、350kV、4us幅、30pps出力で、3.16ppm のクライストロン電圧安定度を達成した。さらに、RFマスターオシレータでは、キャリア周波数5712MHzから10MHzにおいて-150dBc/Hzの側波帯位相雑音が得られた。これらは、SACLA加速器の電力と位相の安定性能を上回る水準である。これまでに達成された電子ビームの同期性能(ジッター ~13.6fs)よりも精密な同期技術開発(同 <10fs)が期待できる。