THP058  施設技術報告  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
RCNPサイクロトロン施設の現状
Status of the RCNP cyclotron facility
 
○依田 哲彦,福田 光宏,神田 浩樹,畑中 吉治,斎藤 高嶺,友野 大(阪大RCNP),中尾 政夫(群大重医セ),Koay HuiWen,安田 裕介,田村 仁志,森田 康之,武田 佳次郎,原 隆文,荘 浚謙,Zhao Hang(阪大RCNP)
○Tetsuhiko Yorita, Mitsuhiro Fukuda, Hiroki Kanda, Kichiji Hatanaka, Takane Saito, Dai Tomono (RCNP, Osaka Univ.), Masao Nakao (GHMC), Huiwen Koay, Yuusuke Yasuda, Hitoshi Tamura, Yasuyuki Morita, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Tsunhim Chong, Hang Zhao (RCNP, Osaka Univ.)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)ではK140 AVFサイクロトロンとK400リングサイクロトロンを稼働しており、原子核物理学、加速器科学、情報科学、物性物理学、宇宙物理学、医学等に向けたビームの利用を推進している。ビーム強度をこれまでより10倍に増強する目的で、2019年2月に加速器運転を終了し、2020年度にかけてAVFサイクロトロン本体や付属機器類、施設の老朽化対策および性能の向上を目的とした集中メンテナンス、アップグレードを実施した。AVFサイクロトロンのアップグレードとしては大強度高品質一次ビームの供給を中心とし、近年需要の増えてきたRI製造能力の向上を図るとともに、ミューオンや中性子、RIビームといった二次粒子ビームおよび高分解能ビームの強度の増大を図る。施設のアップグレードとしては、大強度化するビームに対応した遮蔽増強や冷却能力の向上、RI排水施設の更新によるRI取扱い能力の向上を図る。2019年度には施設関連の改修作業を終えた。AVFサイクロトロンのアップグレードは2020年度内にサイクロトロン本体の更新工事が完了した。2021年度は制御や真空・冷却などの配線配管など最終仕上げ作業を実施し、ビームコミッショニングを行い、ユーザーへのビーム供給を開始する予定である。2020年度以降実施してきたAVFサイクロトロンアップグレードの現在の状況に関して報告を行う。