THP050  光源加速器/レーザー  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
コンパクトERL-FEL用アンジュレータのビーム軌道補正
Beam orbit correction of undulators for compact ERL-FEL
 
○江口 柊,阿達 正浩,加藤 龍好,塩屋 達郎,土屋 公央(高エネ研)
○Shu Eguchi, Masahiro Adachi, Ryukou Kato, Tatsurou Shioya, Kimichika Tsuchiya (KEK)
 
KEK のエネルギー回収型ライナックの原理実証機, cERLにおいて各種樹脂材料の加工に有用な光源となる2つのアンジュレータ(U01 & U02)の運用を開始している。U01およびU02はともに周期長24mm、全長3mのプラナーアンジュレータであり、タンデムに配置して使用する。放射波長の制御方式には、一般的な磁石列間距離(ギャップ)の調整ではなく、下部磁石列をビーム軌道と平行にスライドして磁石列位相を調整するAPU(adjustable phase undulator)方式を採用した。アンジュレータを運用する上で位相変更時のアンジュレータ内の軌道変動を抑えることは安定したFEL動作を得るために重要である。cERLの電子ビームエネルギーは17.5 MeVと低く、磁石列の誤差磁場や環境磁場等のわずかな磁場によってもアンジュレータ内部で大きな軌道変動が懸念されるため、その抑制は重要な課題である。そこでリングの補正電磁石に加えてアンジュレータ磁石列両側面に、アンジュレータ上流部と下流部に分けて2組の軌道補正用コイルをそれぞれ設置した。これによって各アンジュレータチャンバーに3か所ずつ設置された可動式プロファイルモニターでのビーム位置の補正を目指す。本稿では側面上下流補正コイルの詳細と補正コイルを用いた 軌道補正の手法、および補正コイルを用いた位相変更動作における軌道補正の測定結果について報告する。