THP045  高周波源・LLRF  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
STF2加速器の電力分配系の性能評価
Performance of the power distribution system in the STF2 accelerator
 
○沼田 直人,石本 和也,塙 泰河(NAT),明本 光生,荒川 大,片桐 広明,中島 啓光,松本 修二,松本 利広,三浦 孝子(KEK)
○Naoto Numata, Kazuya Ishimoto, Taiga Hanawa (NAT), Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Hiroaki Katagiri, Hiromitsu Nakajima, Shuji Matsumoto, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura (KEK)
 
KEKの超伝導RF試験施設(STF)では、国際リニアコライダー(ILC)開発に向けた超伝導空洞を用いた線形加速器(STF2加速器)の建設を進めている。このSTF2加速器は、3台の運転周波数1.3GHz、繰り返し5Hz、RFパルス幅1~1.65msの高周波源を持ち、常伝導のRF電子銃空洞、2台の超伝導空洞、12台の超伝導空洞へマイクロ波を供給する構成となっている。ILCの高周波源は以下のような要求がある。各空洞のクエンチリミット近くまでパワー供給が可能であること、各空洞の加速位相を調整可能とすること、ベクターサムフィードバック制御による振幅と位相の安定化を可能とすることである。これらを実現するために、電力分配系では各種コンポーネント(可変ハイブリッド、移相器等)の開発及びそれらのシステム開発を行ってきた。2021年3月から4月にかけての運転では、はじめて1台の高周波源で12台の超伝導空洞へマイクロ波の供給、ビーム加速試験が行われた。本報告では、電力分配系を中心にシステム構築、調整作業及び実験結果の報告を行う。