THP013  電磁石と電源  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
多段積み重ね式高電圧半導体スイッチのための自己給電型DC-DCコンバータ基板の開発
Development of self-powered DC-DC convertor for multi-stage stackable high-voltage semiconductor switch
 
○中山 響介,森 均,徳地 明(パルスパワー技術研究所),古川 和弥(大阪大学産業科学研究所)
○Kyosuke Nakayama, Hitoshi Mori, Akira Tokuchi (Pulsed Power Japan Lab.), Kazuya Furukawa (Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka Univ.)
 
近年、半導体スイッチ素子の高耐圧化をきっかけとして、複数個の素子を直列に接続した高電圧スイッチの開発が盛んに行われるようになった。直列接続時には各段の基準電位が高電位に浮くため、制御回路への電力供給は一般的に絶縁して行われる。しかし、コロナ放電や絶縁物の劣化、強烈なノイズの発生等の問題が原因で、数十kV以上に浮いた制御回路への給電は大掛かりになることが多かった。我々はこの問題の解決策として、半導体スイッチ部と同じ高圧系から分流して制御電力を供給する、自己給電型DCDCコンバータ基板を開発した。この基板は複数枚の直列接続動作が可能で、電位の浮いた場所にも絶縁せずに使用できる。1枚当たりのサイズは150×85 mm、入力電圧範囲は0.9~3.0 kVで、入力電圧に依らず最大10 Wの一定電圧を出力する。納入実績として、大阪大学産業科学研究所量子ビーム科学研究施設内にて本基板10枚の直列回路を10段の半導体スイッチ装置に取付け、サイラトロンに代替して約20 kV, 10 Hzのスイッチングが行えることを確認した。