THP007  加速器土木・放射線防護/真空  8月12日 会議室P 13:10 - 15:10
ILC候補地域の林産業の活性化に向けた森林資源等解析
Study of Forest Resource Analysis for Forestry Revitalization in ILC Candidate Site
 
○寺澤 弘陽,高野 裕司(アジア航測株式会社 社会インフラマネジメント事業部 PPP/PFI推進室),川端 康正(アジア航測株式会社 東北インフラ技術部 地域創生一課),多田 宗(前 岩手県 ILC推進局 事業推進課),大平 尚(岩手県 理事),成田 晋也,吉岡 正和(岩手大学)
○Hiroaki Terasawa, Yuji Takano (PPP/PFI Promotion office , Social Infrastructure Management Division, ASIA AIR SURVEY CO., LTD.), Yasumasa Kawabata (Regional Creation Section No.1, Tohoku Infrastructure Management Dept., ASIA AIR SURVEY CO., LTD. ), Takashi Tada (Project Promotion Division, Bureau of ILC Promotion, Iwate Prefectural Government(until march 2021)), Hisashi Odaira (Chair, Iwate Prefectural Government), Shinya Narita, Masakazu Yoshioka (Iwate University)
 
ILCは、全長20㎞におよぶ世界最高、最先端の電子・陽電子衝突型加速器であり、現在、北上山地を候補地として国内誘致が検討されている。ILC建設にあたっては、地域への負荷を最小限にする「グリーンILC」の考え方に基づき、加速器構成設備の徹底的な省エネと高効率化や、再生可能エネルギーの利用、排熱エネルギーの回収と地域産業への活用等が検討されている。本研究では、グリーンILCの実現に向けた方策の一つとして、地域資源を有効活用したコミュニティの創出を検討しており、その具体的な取り組みとして、地域の木材利用の推進や林産業の活性化に向けた森林資源等解析を試行した。対象地は、ILC候補地内のスギ、アカマツを主体とした約10haの森林とし、2019年11月にUAVレーザ計測により取得した3次元点群データを解析に用いた。解析では立木本数、樹高・胸高直径、材積、炭素蓄積量・CO2吸収量を算定し、その結果から対象範囲から得られる木材の経済的価値とバイオマスとしての利用価値について考察した。また、木材利用の推進や地域の林産業の活性化に向け、森林資源等解析による供給量の見える化や効率的な林業運営が可能となる木材流通経路を検討した。なお、本研究は岩手大学、岩手県、アジア航測㈱の共同研究の一環で実施したものである。