THOB05  ビームダイナミクス・加速器理論/粒子源  8月12日 会議室B 11:30 - 11:50
100mA級単孔CW引出しマイクロ波イオン源の開発
Development of a 100mA-Class Single-Hole CW-Extraction Microwave Ion Source
 
○永嶋 和也,関 孝義,足利 沙希子(日立製作所)
○Kazuya Nagashima, Takayoshi Seki, Sakiko Ashikaga (Hitachi)
 
核融合装置の材料開発や粒子線治療向けの中性子源では、大電流かつ安定動作を実現するために、100mA級単孔引き出しの大電流イオン源が要求される。本研究では、100mA級の大電流連続ビームの単孔引き出しを目標にイオン源を開発、評価した。イオン源の引き出し電圧は、引出し電流の3/2乗に比例して増加することから、現実的な電極支持部材の絶縁限界である50kVとした。またプラズマ生成用コイル周囲に磁路を設け、引き出し電極を鉄製の磁路とすることで、引出し電極部への漏洩磁場を低減し、電極間放電の無い安定引出しを実現した。放電室は、内径をマイクロ波の低次モード発生限界とし、マイクロ波発振器とステップ導波管で接続することで、反射の少ないプラズマ生成を実現した。開発したマイクロ波イオン源を用いた性能評価試験により、電極孔径φ12mmにおけるH+ビームの電流特性を評価して、低発散ビーム電流領域の140mAの連続ビーム生成を確認した。また連続ビームの安定性評価では、ビーム引き出しから5分以内でのビーム安定化および2時間以上の無放電引出しを確認した。本発表では、マイクロ波強度に対するビーム電流量やビーム中のイオン比率などの電流特性および連続ビームの安定性評価結果を示す。