THOB03  ビームダイナミクス・加速器理論/粒子源  8月12日 会議室B 10:50 - 11:10
コンパクトERLにおける中赤外自由電子レーザー運転のための入射器の最適化
Injector optimization for the IR-FEL operation at the Compact ERL
 
○田中 織雅,宮島 司,東 直(高エネルギー加速器研究機構)
○Olga Tanaka, Tsukasa Miyajima, Nao Higashi (High Energy Accelerator Research Organization (KEK))
 
KEKのcompact(cERL)は、ERL技術を開発し、高い平均ビーム電流と高いビーム品質で運転するための試験加速器である。cERLは、光陰極電子銃を用いた入射器、エネルギー回収用の超伝導加速空洞(主空洞)、周回ループ、およびビームダンプで構成される。cERLの産業応用の一つとして、cERLの中赤外自由電子レーザー(IR-FEL)へのアップグレードを実施したが、入射器に対してはFEL発振に必要な新しい条件が課される。FEL発振に必要な入射器のビーム条件は、バンチ電荷60 pCのビームに対して縦方向RMSエミッタンスを最小化しつつ、RMSバンチ長2 ps以下、横方向RMSエミッタンス3 π mm mradにすることであり、空間電荷効果を含む粒子トラッキングコードGPTを用いて電子銃から主空洞までのビーム輸送条件の最適化を行った。本発表では、cERL-FELのパフォーマンスを向上させるための入射器最適化の戦略と結果について報告する。