THOA03  光源加速器  8月12日 会議室A 10:50 - 11:10
京都大学小型中赤外自由電子レーザからの数サイクルパルス発生とその計測
Generation and measurement of few-cycle pulse at Kyoto University free electron laser
 
○全 炳俊,大垣 英明(京大エネ研),羽島 良一(量研)
○Heishun Zen, Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto Univ.), Ryoichi Hajima (QST)
 
京都大学中赤外自由電子レーザ施設(KU-FEL)では自由電子レーザで駆動する高次高調波アト秒光源の実現に向けて研究開発を進めている。高次高調波発生において単独アト秒パルスを発生させるためには、駆動レーザが極端に短い数サイクル程度のパルス長を持つ必要がある。共振器型自由電子レーザではJAERI-FELにおいて電子ビームの運動エネルギーからレーザ電磁場エネルギーへの変換効率が6%と高い条件で数サイクルパルスの発生が観測されている。KU-FELではこれまでに9.4%の変換効率を達成しており、JAERI-FEL同様、数サイクルパルスの発生が期待されていた。本研究ではFELパルスの線形・非線形自己相関パターンを同時に測定可能な系を構築し、それらの測定結果を解析することでFELパルスの時間構造及び位相分布を得た。結果として、波長約11μm、変換効率約9%の条件下でFEL光共振器から半値幅約150fs(約4.2サイクル)のパルスが発生していること、発生したFELパルスが複雑なパルス構造を有していることが分かった。 本研究は文部科学省の光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP、JPMXS0118070271)によるものである。