MOP055  施設技術報告  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
京大複合研電子線型加速器施設(KURNS-LINAC)の現状
Status of KURNS-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,堀 順一,高見 清(京大複合研)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Jun-ichi Hori, Kiyoshi Takami (KURNS)
 
京大複合研電子線型加速器施設の2020年度の運転時間は1,446.0時間であった。年度初めのコロナウイルス感染拡大防止対策による運転停止期間と年度終わりのRI施設改修工事による停止期間が合わせて5か月ほどあったため、2019年度より1,000時間近く運転時間を減らしたが、限られた運転可能期間の中で活発な利用が行われた。2021年度は共同利用の受入態勢も整ってきたので、例年通りの運転を予定している。 2020年度の主な更新としては、上記に示したRI施設改修工事において、給排気ダクトの更新(鉄からステンレス)、冷却水配管の大半の更新(銅からステンレス)、施設建屋屋上防水工事及び外壁塗装工事、ターゲット室の塗装工事が実施された。排気ダクトについては、前回のRI施設定期検査で劣化の指摘のあった箇所であり更新の必要があった。冷却水配管については、ステンレス配管への変更と配管口径の拡大化により、冷却水流量が増加することが期待され、実際に若干の流量増加が確認されている。また、配管の接続に拡管ねじ込み式を採用することで取外し・交換が容易になった。並びに、過去に複数報告している配管からの冷却水漏れに対しても、配管が新品になることで冷却水漏れの恐れが低下することが期待される。一方、ターゲット室の塗装はターゲット室内の放射線量が想定以上に高かったため、予定の工事の半分程度にとどまった。後日に、残りの作業を実施する予定である。