MOP047  高周波源・LLRF  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
J-PARCリニアックLLRFにおける次世代DFB・DFFシステムの開発
Development of DFB・DFF system for J-PARC Linac LLRF
 
○二ツ川 健太,Ersin Cicek,方 志高,福井 佑治,溝端 仁志(高エネルギー加速器研究機構),篠崎 信一(日本原子力研究開発機構),佐藤 福克(株式会社NAT)
○Kenta Futatsukawa, Cicek Ersin, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Satoshi Mizobata (High Energy Accelerator Research Organization), Shinichi Shinozaki (Japan Atomic Energy Agency), Yoshikatsu Sato (NAT)
 
J-PARCリニアックの低電力高周波制御(LLRF)システムでは、空洞電界の安定度の性能要求を満たすために、FPGAを用いたデジタルフィードバック(DFB)とデジタルフィードフォワード(DFF)システムを採用している。このシステムは開発期間から20年以上経過して、ハードウエアのモジュールの生産中止やソフトウエアの開発環境の維持が困難になり、次世代への速やかな移行が必要になっている。そこで、ADCとDAC及びFPGAを実装したデジタイザを開発して、2020年の夏季シャットダウン後からDTL3とSDTL01-16で運用を開始した。この変更に伴い、PLCラダー、自動チューナ制御、自動復帰、インターロック履歴管理の変更などLLRFシステムとしても大幅な変更が生じたが、無事に利用運転を行うことができた。 また、J-PARCリニアックのLLRFシステムでは、ギャラリの湿度変動によるビーム運動量の変動が問題になっている。LLRFシステムの全ての設置場所において恒温恒湿環境を準備することは困難なことから、一部のLLRFシステムの設置場所に対して恒温恒湿環境の体制を整えている。その環境に高信頼度の測定器を導入することで全体の湿度変動の影響の測定を行っている。また、その一部の測定結果に関しては、温湿度による位相ドリフトの補正を実施している。 本講演では、新規に導入したデジタイザを含めたLLRFシステムと恒温恒湿環境化での影響の測定に関して、現在の状況を発表する予定である。