MOP026  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
セプタム壁近傍における入射ビームプロファイルモニターとエアギャップ用金属窓を利用した常時プロファイルモニターの開発
Development of injection beam profile monitor near septum wall and constant profile monitor using metal window for air gap
 
○高井 良太,谷本 育律,内山 隆司,野上 隆史,満田 史織,帯名 崇(高エネ研)
○Ryota Takai, Yasunori Tanimoto, Takashi Uchiyama, Takashi Nogami, Chikaori Mitsuda, Takashi Obina (KEK)
 
KEKの放射光源であるPFリングでは、2020年度の夏季停止期間中にビーム入射点のセプタム2電磁石とその真空ダクトが更新された。新しい真空ダクトは、入射ビームダクトと蓄積ビームダクトがエアギャップで完全に分けられた分離型構造となっており、その入射ビームダクトの最下流部には2種類のビームプロファイルモニターが設置された。1つはCe:YAGシンチレータを用いたスクリーンモニターで、圧空式の直線導入機によりオンデマンドの精密プロファイル測定を可能にする。入射ビームはセプタム壁から約2.5 mmの位置を通過する設計のため、シンチレータを保持するスクリーンホルダにはセプタム壁側のフレームがないコの字型のものが採用され、セプタム壁との間隔も導入機に設けたXYステージで微調可能となっている。もう1つはエアギャップに面した厚さ0.2 mmのSUS窓から発せられる遷移放射光(OTR)を利用したスクリーンモニターで、別途放射ターゲットを挿入する必要がないため、入射効率に影響を与えることなく入射ビームプロファイルの常時観測が可能である。エアギャップ用の金属窓をスクリーンモニターの放射ターゲットとして利用する試みは他に類を見ない。本発表では、これら2種類のビームプロファイルモニターの詳細と入射ビームの観測例、今後の課題について述べる。