MOP023  ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
回折限界光源における縦方向不安点性評価を目的としたMBTACKコードへのDirect RF feedback 機能の実装
Implementation of direct RF feedback function to a beam tracking code MBTACK
 
○山本 尚人(高エネ研)
○Naoto Yamamoto (KEK)
 
回折限界光源リングでは大電流蓄積時において極低エミッタンスを維持するために、高調波空洞を用いたバンチ伸張運転が必要不可欠となる。一方、高調波空洞を用いたバンチ伸張運転を行う際、高調波空洞では通常の加速空洞と異なり空洞の同期位相を正方向にとる必要がある。特に孤立バンチ運転時など平均蓄積リング電流値が小さい場合、同期位相が小さくなり共鳴周波数がビームの周回周波数が近づくため、加速モードのインピーダンスを介したビーム不安定を誘発するおそれがある。 発表者はこれらの不安定性を抑制する手段として、Direct RF Feedback や Mode damper の可能性を探っている。本研究ではまず、Direct RF Feedbackを、モデル化しトラッキングコードMBTRACKに導入した。Direct RF Feedback とはピックアップ電極等を用いて空洞で検出した高周波の一部を低電力RFシグナルに直接足し併せ空洞の入力RFに帰還させるフィードバックであり、これにより蓄積リングを周回するビームが感じる空洞の実効インピーダンスを低減できる。 本発表ではMBTRACKに実装したDirect RF Feedback機能の詳細を説明するとともに、KEK-Bの実測例を参考としたベンチマーク結果を紹介する。