MOP022  ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
J-PARC MRのFXセプタムとFXキッカーのインピーダンスの評価と対策
Evaluation and countermeasures for impedance of fast extraction septa and fast extraction kickers at the J-PARC main ring
 
○小林 愛音,外山 毅,中村 剛(KEK/J-PARC),菖蒲田 義博(JAEA/J-PARC),石井 恒次(KEK/J-PARC)
○Aine Kobayashi, Takeshi Toyama, Takeshi Nakamura (KEK/J-PARC), Yoshihiro Shobuda (JAEA/J-PARC), Koji Ishii (KEK/J-PARC)
 
加速器を構成する要素のビーム結合インピーダンスの影響の見積もりと対策は、それにより引き起こされるビームの集団効果を抑制し、ビーム強度を上げるために不可欠である。J-PARC main ring (MR)は現在の最高強度550 kW(2.8×10^14ppp, MR cycle 2.48 sec)から750 kW(2.03×10^14 ppp, 1.3 sec)、さらには1.3 MW(3.33×10^14 ppp, 1.16 sec)と大強度化する計画であり、不安定性を始めとした集団効果によるビームロスの低減は必須である。大きなインピーダンスを持つと考えられている個々の装置のうち、FXセプタムとFXキッカーをCSTシミュレーションでモデル化し、縦および横方向のインピーダンスの見積もりを行った。特に大きな値となったインピーダンスについては、それが発生するウェイク場を減衰させる方法を検討した。FX セプタムについては、SiCをウェーク場の減衰器として追加することでインピーダンス低減を目指すように設計し、かつ発生する熱等が実用的かどうか調べ、製作を行なっている。インピーダンスの実測定は夏から秋に行う予定である。ここではシミュレーション過程およびインピーダンスのビームへの影響の見積りを報告する。