MOP020  ハドロン加速器/ビームダイナミクス・加速器理論  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
自動サイクロトロン共鳴加速のためのRF共振空洞の開発
Design of the RF cavity for the cyclotron auto-resonant acceleration
 
○神田 浩樹,福田 光宏,依田 哲彦,安田 裕介,原 隆文,武田 佳次郎(阪大RCNP),篠塚 勉,伊藤 正俊(東北大CYRIC),宮脇 信正,倉島 俊(量研高崎研),中尾 政夫(群大重医セ),松田 洋平(甲南大学),涌井 崇志(量研量医研)
○Hiroki Kanda, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Yuusuke Yasuda, Takafumi Hara, Keijiro Takeda (RCNP, Osaka Univ.), Tsutomu Shinozuka, Masatoshi Itoh (CYRIC, Tohoku Univ.), Nobumasa Miyawaki, Satoshi Kurashima (QST-Takasaki), Masao Nakao (GHMC), Yohei Matsuda (Konan Univ.), Takashi Wakui (QST-NIRS)
 
自動サイクロトロン共鳴を応用した粒子加速器は高い電力効率で大電流のビーム加速が可能であることが示されており、RI製造や中性子源など大強度ビームが必要となる用途に向けた加速器としての実用化が期待されている。先行研究によって、ソレノイド内部に導波管を配置しTE11モードの進行波を用いて電子を螺旋状に加速する型の加速器が提唱・開発され、極めて高い電力効率での電子の加速が報告された。しかし、この方式の加速原理を陽子などのイオンに適用するためには、加速に必要なRFの波長を考慮すると導波管ではなくTE111モードの定在波の共振空洞を利用することが望ましい。私たちは陽子を加速することを目標として、TE111モードの共振空洞の有限要素法によるシミュレーションを実施し、得られた高周波電磁場を用いた粒子運動のシミュレーションによってmAを超える陽子ビームの加速が可能であることを確認してきた。そこで、次のステップとしてこの加速器を実現するための模型である、TE111モードの定在波を使用した電子加速器の開発を行う。電子サイクロトロン共鳴(ECR)型イオン源用の電磁石と共振空洞をベースに、共振空洞への導波管の結合方法、共振器のチューニング方法といった共振器の設計に加えて電子の入射、引き出しといった加速器として必要な構造を導入するための検討を行っている。本発表ではコンピューターシミュレーションによる設計の現状について報告を行う。