MOP018  電磁石と電源  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
ILC Main Linacのための伝導冷却による機能結合型超伝導四極磁石の研究
Study of Conduction-Cooled Superconducting Quadrupole Magnets Combined With Dipole Correctors for the ILC Main Linac
 
○有本 靖,青木 和之,梅森 健成,大内 徳人,大木 俊征,清水 洋孝,宗 占国,道園 真一郎,森川 祐,山本 明,王 旭東(高エ研),Kashikhin Vladimir(フェルミ国立加速器研究所)
○Yasushi Arimoto, Kazuyuki Aoki, Kensei Umemori, Norihito Ohuchi, Toshiyuki Oki, Hirotaka Shimizu, Zhanguo Zong, Shinichiro Michizono, Yu Morikawa, Akira Yamamoto, Xudong Wang (KEK), Vladimir Kashikhin (Fermilab)
 
国際リニアコライダー(ILC)Main Linac の超伝導RF(SRF)クライオモジュール には補正二極磁石機能を組み合わせた超伝導(SC)四極磁石が組込まれる. この四極磁石は, 4個のSCレーストラックコイルからなるsuper-ferric磁石である. SCコイルはクライオモジュールの2相流ヘリウムパイプからの熱伝達によって冷却される. 四極磁石の磁場勾配と補正二極磁場は、各々40 T/m, 0.1 T, また, 磁石長, 鉄磁極の開口半径は各々1 m, 0.045mである. この磁石を安定に運転する上で課題となるのが, SRF空洞内で発生する暗電流(電界放出による電子流)である. 暗電流は, 後続のSRF空洞内電界によって加速される. 加速された暗電流電子は四極磁石に到達すると, その磁場によって曲げられ, SCコイルに入射する. この時に, コイルへ落とされるエネルギーは数ワットに達すると想定され, SCコイルの温度は局所的に上昇し, クエンチのリスクとなる. そこで我々は, この暗電流によってもクエンチに至らない尤度を持ったSC磁石の実現を目指す開発研究を開始した. NbTi, Nb3Sn, MgB2, の3種類のSC材料で作られたテストコイルを試作し, その結果をもとに、ショートモデル磁石を開発する. ここでは、磁石設計と研究開発計画について報告する.