MOP003  加速器応用・産業利用/粒子源  8月9日 会議室P 12:50 - 14:50
パルス大強度相対論的電子ビーム照射の線量と動物プランクトンの不活化の関係
Relationship between Inactivation of Zooplankton and Dose of Pulsed Intense Relativistic Electron Beam
 
○佐々木 千尋,菊池 崇志,佐々木 徹,高橋 一匡(長岡技科大),本田 匠(電力中央研究所),松田 朝陽,山内 諒太(佐世保高専),今田 剛(新潟工科大,長岡技科大・極限エネルギー密度工学研究センター)
○Chihiro Sasaki, Takashi Kikuchi, Toru Sasaki, Kazumasa Takahashi (NUT), Takumi Honda (CRIEPI), Asahi Matsuda, Ryota Yamauchi (NIT, Sasebo College), Go Imada (NIIT, NUT-EDI)
 
近年、船舶のバラスト水に混入した海洋生物(プランクトンなど)の外来種による生態系への被害、これに伴う水産業等への被害、噛み付きや毒等による人の生命や身体への被害が問題となっている。薬剤を用いたプランクトン処理は存在するが、薬剤による二次汚染を処理する工程が増すことやコストが問題となっている。また、濾過や熱処理などの方法があるが、濾過では小さいプランクトンの除去が難しいこと、熱処理では一部の熱に強い卵などがいることが課題である。そのため、本研究では新たな処理方法として、パルス大強度相対論的電子ビーム(PIREB: Pulsed Intense Relativistic Electron Beam)を用いた方法を検討する。先行研究にて、PIREBを用いることで動物プランクトン(アルテミア)の処理が可能なことやアルテミアの卵における処理の度合い(孵化率)と照射線量の関係性が確認されている。しかし、アルテミアの幼体における処理の度合いと照射線量の関係性は評価が不十分である。そのため、本研究では処理の度合いとしてアルテミアの不活状態(動かない状態)に注目し、アルテミアの幼体における不活化率と照射線量の関係性を調べることを目的とした。不活化率と照射線量の関係性は、照射したアルテミアの幼体の不活化率を測定し、フィルム線量計を用いて測定した照射線量と比較することで検討を行った。