MOOB04  電磁石と電源①  8月9日 会議室B 16:50 - 17:10
3次元らせんビーム入射の実証実験における輸送ライン四極電磁石の回転角制御
Control of rotation angles of transport line quadrupole magnets in a demonstration experiment of three-dimensional spiral beam injection
 
○平山 穂香,飯沼 裕美(茨城大学),リーマン ムハンマド アブドゥル,大澤 哲,中山 久義,古川 和朗,三部 勉,染谷 宏彦(高エネルギー加速器研究機構)
○Honoka Hirayama, Hiromi Iinuma (Ibaraki University), Muhammad Abdul Rehman, Satoshi Ohsawa, Hisayoshi Nakayama, Kazurou Furukawa, Tsutomu Mibe, Hirohiko Someya (KEK)
 
Muonの異常磁気モーメント(g-2)と電気双極子モーメント(EDM)を超精密測定する、Muon g-2/EDM実験の準備がJ-PARCで進んでいる。Muon g-2は標準模型による理論値と実験値(米国E821, E989)との間に4σ以上の相違がある物理量であり、新物理の兆候と期待される。また、muon EDMの有限値は時間反転対称性の破れの実験的な証拠になるので、実験感度を上げて直接検出を目指している。本実験では、医療用MRI磁石を応用した直径66 cmのソレノイド型磁石にミューオンビームを入射・蓄積してスピン歳差運動を測定する。3次元らせん入射という前例のないビーム入射方法を採用するため、電子ビームを用いた実証実験に取り組んでいる。3次元らせん入射に必要なビーム位相空間上の水平方向と垂直方向の相関(X-Y結合)を適切に制御するためには、ビーム輸送ラインの回転四極電磁石の回転角と電流値の精密調節が必須である。本発表では、回転角を精密に調節して実験の再現性を確保するためのリモート機械制御装置の設計と製作について報告する。ビーム位相空間のX-Y結合の最適解を設計し、テストビームラインでの実測値との比較から回転角の制御の要求精度を決定する。さらに、J-PARCでの本番実験用の輸送ラインにおける回転四極電磁石の回転機構の制御の仕様も議論する。