MOOB02  電磁石と電源①  8月9日 会議室B 16:10 - 16:30
次世代放射光光源のためのDCセプタム電磁石開発
Developments of DC septum electromagnet for next generation light sources
 
○山口 博史,谷内 努(高輝度光科学研究センター),深見 健司,渡部 貴宏,高野 史郎(高輝度光科学研究センター, 理研, 量研),竹村 育浩(スプリングエイトサービス)
○Hiroshi Yamaguchi, Tsutomu Taniuchi (JASRI), Kenji Fukami, Takahiro Watanabe, Shiro Takano (JASRI, Riken, QST), Yasuhiro Takemura (SES)
 
次世代放射光光源入射部のDCセプタム電磁石として、コイル電流密度を従来のDirect-drive型の1/10以下に抑えた電磁石を設計・製作した。  DCセプタム磁石には、入射ビームに所定の磁場を印加し、近接する蓄積ビームには磁場をかけないことが要求される。Direct-drive型では、コイルをギャップ内に設置して磁気遮蔽の役割も持たせることで漏れ磁場を抑えるため、入射ビームと蓄積ビームを近づけようとするとコイルの断面積が小さくなり、コイルの電流密度が上がってしまう。電流密度が上がると、電源や冷却水に多大な負荷がかかるとともに、熱サイクルによりコイルの絶縁層が擦れて破れる等の故障のリスクも大きくなる。  本開発ではこれらの問題を回避するため、ギャップの外側に磁気遮蔽板を設けることでコイルから磁気遮蔽の役割を外し、コイルをギャップ外に配置してコイル断面積を増やす設計を行った。その結果、Direct-drive型と比較してコイルの電流密度を1/17に抑えることができた。また、遮蔽板をコイルの外側まで延長してギャップからの漏れ磁場と逆向きの磁束を遮蔽板に導き、ギャップ付近で打ち消し合うようにすることで薄い遮蔽板を実現し、入射ビームと蓄積ビームの距離を短縮しつつ蓄積ビーム領域への漏れ磁場を地磁気レベルに抑えることができる構造とした。  本講演では、試作機の設計及び磁場測定の結果を報告する。