MOOA07  加速器土木・放射線防護  8月9日 会議室A 18:00 - 18:20
東北地方太平洋沖地震後の地殻変動によるILC実験施設への影響検討
Investigation of the effect to ILC experiment facilities by tectonic deformation after the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake
 
○関根 一郎,若竹 亮(戸田建設(株)),吉岡 正和,佐貫 智行(東北大学)
○Ichiro Sekine, Ryo Wakatake (Toda Corporation), Masakazu Yoshioka, Tomoyuki Sanuki (Tohoku University)
 
日本列島は環太平洋造山帯に位置するので、国際リニアコライダー(ILC)の日本への立地に当たって、地震の影響を検討しておく必要がある。地下施設では地震の影響が小さいことなどが既に示されているが、地震による影響の一つとして地殻変動の影響が考えられる。2011年に発生した東北地方太平洋沖地震の前も太平洋プレートが移動する影響により日本列島は地殻変動していたが、東北地方太平洋沖地震後も地殻は余効運動により変動している。その変動量、長期的な傾向を把握し、ILC実験施設に与える影響があるか明らかにしておくことは、加速器施設の計画において有意義なことである。本研究では、国土地理院が公開するGNSSによる地殻変動データを基づいて、東北地方太平洋沖地震後のILC北上候補サイト周辺での地殻移動量を算出し、ILC実験施設に与える影響の程度を検討した。その結果、地殻変動は継続的に続いているが、その大きさはアライメントの再調整の観点、衝突実験の軌道補正の観点から影響は小さいことが明らかになった。