WESP08  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
名古屋大学加速器中性子源施設NUANSの現状
Present status of Nagoya University Accelerator-driven Neutron Source (NUANS)
 
○鬼柳 善明,土田 一輝,釣田 幸雄,吉橋 幸子,本田 祥梧,渡辺 賢一,山崎 淳,瓜谷 章(名大院工),広田 克也,北口 雅暁,清水 裕彦(名大院理),宮島 司(高エネ研)
○Yoshiaki Kiyanagi, Kazuki Tsuchida, Yukio Tsurita, Sachiko Yoshihashi, Shogo Honda, Kenichi Watanabe, Atsushi Yamazaki, Akira Uritani, Katsuya Hirota, Masaaki Kitaguchi, Hirohiko Shimizu (Nagoya University), Tsukasa Miyajima (KEK)
 
名古屋大学では、ボロン中性子捕捉療法(BNCT)関連の研究を主たる目的とする中性子源施設を建設し、現在、ビーム実験も進めながら加速器パワーの増強をはかっている。加速器はIBA社の静電陽子加速器ダイナミトロンで定格は2.8MeV、15mAである。加速器ビームラインはストレート、第一、第二ビームランの三本で、ストレートは陽子ビームテスト用、第一ビームラインが、メインのBNCT用の照射実験を行うためのものであり、固体密封型のLiターゲットを中性子発生に用いている。第二ビームランは理工応用のためで、Beターゲットを用いており、0.75mA までの電流を受けられ、中性子イメージングテスト実験を実施している。第一ビームラインでは、水ファントム中の中性子測定を行い、軸方向熱中性子強度分布などを得た。その時のビーム電流から、定格電流に達した場合には予定通りの中性子強度が得られる見通しが得られている。また、可能な細胞照射実験も行い、ボロン薬剤の効果も観測できた。現在、加速電流を増加させるために、ビーム輸送系のシミュレーション、ビーム特性の詳細検討を行っている。また、ビームスキャニングテストとして1次元のスキャニングを行い、4mAの安定運転を達成している。さらなるビーム電流増加に向けて、ビーム調整とスキャニングの改善を進めて行く予定である。本発表では、加速器やBNCT用システムなど施設の現状について報告する。