WEPP52  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
CsBr保護膜によるCs-Teフォトカソードの高耐久化に関する研究
Study on improving durability of Cs-Te photocathode with CsBr protective films
 
○江澤 健太朗,丹羽 智朗,福岡 凜大,小柴 裕也(早大理工総研),坂上 和之(早大理工総研/東大光量子研),鷲尾 方一(早大理工総研)
○Kentaro Ezawa, Tomoaki Tanba, Rinto Fukuoka, Yuya Koshiba (WISE, Waseda Univ.), Kazuyuki Sakaue (WISE, Waseda Univ./UT-PSC), Masakazu Washio (WISE, Waseda Univ.)
 
早稲田大学鷲尾研究室ではレーザーフォトカソード高周波電子銃(RF-gun)を用いた高品質ビーム生成に関する基礎研究・応用研究を行っている。重要な要素技術の一つとして、電子ビームを取り出すための電子源(カソード)の開発が挙げられる。高性能なカソードは高品質なビームの生成に貢献するため、様々な応用においてカソードの質を向上させることが求められる。現在、鷲尾研では半導体フォトカソードの1種として実績のあるCs-Teフォトカソードのさらなる高性能化に向けた研究を行っている。Cs-Teフォトカソードは1%程度の高い量子効率(Q.E. :Quantum Efficiency)と2~3ヶ月という比較的長い1/e寿命を誇る優れたフォトカソードである。しかしながら、量子効率、寿命で優れるCs-Teフォトカソードは残存する酸素ガスによって著しくQ.E.が低下してしまうことが知られており、その問題を解決することが求められている。Cs-Teフォトカソードの残存ガスへの耐久性を向上させることを目標に、Cs-TeフォトカソードへCsBrをコーティングする実験を行った。本発表ではCsBr保護膜の膜厚依存性、およびコーティングによってCs-Teフォトカソードの残存ガス耐性が向上したことについて報告する。