WEPP47  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
軌道偏心加速器における磁極形状設計手法の開発
Development of magnet design method for cotangential trajectory accelerator
 
○西田 賢人,堀 知新,青木 孝道,羽江 隆光(日立製作所)
○Kento Nishida, Chishin Hori, Takamichi Aoki, Takamitsu Hae (Hitachi, Ltd.)
 
粒子線治療に向けた小型・可変エネルギーの加速器として、日立製作所では軌道偏心加速器を開発している。開発中の加速器では、固定磁場と周波数変調した加速電場を用いるため、超伝導コイルが適用可能であり、シンクロサイクロトロンと同等以下に小型化できる。また、本加速器では、ビームが周回する円軌道を一方向に偏心させることで軌道の集約領域を形成し、がん治療に必要なエネルギー帯(陽子70~225 MeV、炭素150~430 MeV/u)のビームを集約領域から共鳴取出しすることを特徴としている。本加速器の実現には、偏心した軌道でビームを周回させるために必要となる磁場分布を相対誤差率 0.05 % 以下で再現する必要がある。そこで、磁場分布の生成に必要な磁極形状の解析を、磁場解析の逆問題として定式化し、最小二乗法を用いることで解く。この磁極形状解析と有限要素法による磁場解析を組合せて、偏心軌道用磁場分布を生成できる主電磁石の設計手法を開発した。本手法の適用により、ビームの偏心軌道を実現できる磁極形状を決定し、生成磁場が目標精度である相対誤差率 0.05 % 以下を満たすことを確認した。本発表では、構築した主電磁石設計手法と本手法により算出した磁場分布における粒子軌道解析結果について述べる。