WEPP36  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
J-PARCリニアックLLRF制御システムにおける恒湿環境の構築
Construction of constant humidity environment for low-level RF system at J-PARC linac
 
○福井 佑治,方 志高,二ツ川 健太,溝端 仁志(高エネ研),篠崎 信一,平根 達也,不破 康裕(原子力機構),岩間 悠平,佐藤 福克(NAT)
○Yuji Fukui, Zhigao Fang, Kenta Futatsukawa, Satoshi Mizobata (KEK), Shinichi Shinozaki, Tatsuya Hirane, Yasuhiro Fuwa (JAEA), Yuhei Iwama, Yoshikatsu Sato (NAT)
 
J-PARCリニアックから3GeVシンクロトロン(RCS)に出射されるビームの運動量が湿度に依存して変動していることが2017年頃から認知され始めている。リニアックの高周波機器は全長約300mのクライストロンギャラリー内に設置されており、室内の湿度の変動が運動量の変化に影響を与えていることが考えられる。ギャラリー内の室温は27±2℃になるように制御されている一方、湿度に関しては制御されておらず、年間を通じて15%から65%RHまで変動している。そこで2018年からリニアックで使用する高周波機器および高周波ケーブルの湿度依存性を測定すると共に、精密空調機を使用して局所的な恒温恒湿環境を構築することを進めてきた。現在は、高周波基準信号発生器を設置している19インチラックおよびSDTL/ACSの各空洞から1箇所づつLLRF機器用ラックを選び、これらに精密空調機および高気密ラックを導入して運用を行っている。これらのラックではラック内の湿度変動を外気に比べて1/20程度に低減することが可能になった。本件では、リニアック高周波機器に対する恒温恒湿環境の構築に関して、これまでの経緯と今後の対応について報告する。