WEPP35  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
SuperKEKBにおけるビームローディングに起因する縦方向不安定性を抑制するRFフィードバックの検証
Verification of RF feedback to suppress longitudinal instability due to beam loading in SuperKEKB
 
○赤井 和憲,可部 農志,小林 鉄也,中西 功太,西脇 みちる(高エネ研)
○Kazunori Akai, Atsushi Kabe, Tetsuya Kobayashi, Kota Nakanishi, Michiru Nishiwaki (KEK)
 
電子・陽電子衝突型加速器SuperKEKBは、2018年にビーム衝突調整を開始し、現在はフェーズ3として物理データ収集のための運転を続けている。蓄積ビーム電流の設計値は陽電子3.6A、電子2.6Aと、いずれも前身のKEKB実績値の約2倍であり、加速モードへの強いビームローディングに起因するRobinson不安定などの、大電流ビームと高周波システムの相互作用に関係する諸問題への対策が一層重要となる。加速モード帯域のうち加速周波数、すなわちビーム加速に直接関わるゼロモードのビームローディング対策として、LLRF制御系には通常の位相・振幅制御に加え、インピーダンスの高い超伝導空洞の実効的負荷Q値を低減するための直接RFフィードバックや、ビーム振動を検出してリング全周の位相を制御するダンパーなどを組み込んでいる。2019年6月の運転において、ゼロモード振動数の変化やビーム不安定性に関するスタディを行ない、直接RFフィードバック及び位相ダンパーの効果を検証した。本発表では、SuperKEKBの加速モードのビームローディングに起因する縦方向ビーム不安定性とその対策に関する測定結果を示すとともに、理論計算及び制御ループの特性を含めた解析について報告する。