WEPP31  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
TM020型高調波空洞において寄生モード減衰機構が加速モードに与える影響
Influence of the parasitic-mode damper on the accelerating mode in the TM020-type harmonic cavity
 
○山口 孝明,坂中 章悟,山本 尚人,内藤 大地,高橋 毅(総研大 加速器科学専攻)
○Takaaki Yamaguchi, Shogo Sakanaka, Naoto Yamamoto, Daichi Naito, Takeshi Takahashi (Dept. Accelerator Science, SOKENDAI)
 
極低エミッタンスを目指す多くの次世代放射光源では、バンチ内の電子同士の散乱によるビームエミッタンスの増大やビーム寿命の低下を抑制するため、バンチを伸長するための高調波空洞の導入が検討されている。我々は、一般的なTM010モードではなくTM020モードを加速モードとして利用する方式[1]の高調波空洞の設計研究を行っている。TM020型の高調波空洞には、(1) TM010空洞に比べてバンチギャップに起因する過渡的電圧変化を抑制することができること、(2) TM020モードの磁場の節の位置に寄生モード減衰機構を搭載することで加速モードに影響を与えることなくほとんどの寄生モードを減衰できること、という利点がある 。この設計研究の中で、TM020型高調波空洞における課題として、(1) 周波数チューナーや入力カップラーを空洞に設けるとTM020モードの磁場分布に歪みが生じ、加速モード自身が減衰されてしまうこと、(2)TM020モードと近い位置に磁場の節を持つTM02n, TM12nモードなどが減衰され難いこと、が判明し、その解決に取り組んでいる。本発表では、主に(1)に対する解決案について報告を行い、(2)についても簡単に報告する予定である。[1] H. Ego, et al., PASJ2019, WEOH03 (2019).