WEPP17  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
シンクロトロンからの遅いビーム取り出しにおけるカラードノイズデータの加工によるスピル強度の増加
Increase of Spill Intensity by Modifying Colored Noise Data in Slow Beam Extraction from a Synchrotron
 
○奥川 雄太郎,中西 哲也(日大生産工),栗田 哲郎(若狭湾エネルギー研究センター)
○Yutaro Okugawa, Tetsuya Nakanishi (College of Industrial Technology, Nihon University), Tetsuro Kurita (The Wakasa Wan Energy Research Center)
 
シンクロトロンからの遅いビーム取り出しにおいて、一様なスピルを得ることは重要な技術である。筆者らはその方法としてマルチバンドのカラードノイズ(CN)信号を使ったRFKO法を提案している。このノイズ信号は、高次のベータトロン共鳴周波数帯を複数含んだもので、含まれる共鳴周波数帯の数が多いほどスピルが滑らかになることが実験およびシミュレーションで示された。本研究の目的は、CN信号を加工して比較的パワーの小さい高周波アンプでより多くのビームを取り出すことである。その一つが、アンプの最大出力電圧は入力電圧の最大値で決まるため、CN信号が強い部分を下げ、最大値と実効値の比を下げることである。元データでは先の比が5であったが、それを2まで下げても、スピルの変動にはほとんど影響せず、アンプ出力を25/4倍に増加できた。また、RFKOシステムに使用されるITの電圧変換比も4:1から5:1に変更した。これによりシステムの周波数特性が悪化するため、使用する共鳴周波数帯の数を低い方から6つの6バンドとした。それにより悪化するスピルの変動を抑えるために、スピル強度の変動が大きい部分のCN信号のみを低減させる方法を提案する。本論文では、これらのシミュレーションと関連する実験結果について述べる。