WEPP11  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
山形大学医学部東日本重粒子センター建設の現状 (2)
Construction status of East Japan Heavy Ion Center, faculty of medicine, Yamagata University (2)
 
○想田 光,金井 貴幸,宮坂 友侑也,岩井 岳夫,根本 建二,上野 義之,嘉山 孝正(山形大)
○Hikaru Souda, Takayuki Kanai, Yuya Miyasaka, Takeo Iwai, Kenji Nemoto, Yoshiyuki Ueno, Takamasa Kayama (Yamagata Univ.)
 
山形大学では2017年から重粒子線治療施設の建設を行っている。加速器は普及小型重粒子線治療装置の設計を踏襲し、全永久磁石型ECRイオン源と4 MeV/u RFQ+IH-DTL線形加速器、430 MeV/uシンクロトロンからなり、照射室は水平ポートのみの固定照射室1室と、超伝導回転ガントリー照射室1室の計2室である。加速器の運用においては、レンジシフタを設置せず全てシンクロトロンで約600段のエネルギーを変更するフルエネルギースキャンを行う予定である。同じく普及型施設としては初めての設置となる超伝導回転ガントリーは、偏向角を大きくしたスキャニング磁石を最下流に設置することで、放医研で開発された初号機から約2/3に小型化している。建設状況については、2019年5月に建屋が竣工、2019年8月に装置が完成した。シンクロトロンの調整開始時に、冷却水の熱交換・冷却能力が不足することが判明したが、予備系の熱交換器を並列運転することによりビーム試験を実施することができた。高エネルギービーム輸送系の初期調整を経て2020年3月に施設検査に合格し、本格的なビーム調整を開始している。冷却水の冷却能力不足に関する改修工事を今夏に実施した後、クリニカルコミッショニングを経て2021年に治療開始の予定である。