WEPP02  ポスターセッション①  9月2日 ポスター会場 12:40-14:40
J-PARC大強度化に伴う新ビームダンプの設計
The design of new beamdump for J-PARC MR upgrade
 
○門脇 琴美,白形 政司(高エネルギー加速器研究機構)
○Kotomi Kadowaki, Masashi Shirakata (KEK)
 
J-PARC MRのビームダンプはMRアボートダンプと呼ばれており、その熱容量は7.5kWである。大強度ビームを用いる場合、熱容量の観点からビーム調整時にダンプに打つことができるショット数は1時間あたり20ショット程度に制限されている。J-PARCではビームのさらなる大強度化が進められており、今後はこの制限がさらに厳しくなることが予想される。そこで、ビームダンプの熱容量を上げるために新規ビームダンプの製作が計画されている。 既存のMRアボートダンプはビームパイプの周辺に鉄およびコンクリートブロックを並べた構造になっている。本研究では、既存のMRアボートダンプのビームパイプ終端に新たに銅製のダンプコアを追加し、熱容量を合計30kWとすることを目標とした。冷却方式は空気の吹き込みによる空冷方式とした。新規ビームダンプの設計にはANSYS(ANSYS inc.)を使用した。まずビームコアの構造について複数のモデルを作成し、構造計算により変形や相当応力を評価した。次に単純な構造のビームコアモデルを作成し、伝熱解析を行った。ビームコアの発熱はShirakata et al.(2019)により計算された熱分布を使用した。解析の結果、銅製のビームコアでは冷却用のフィンをもつ構造にすることで必要な熱容量を達成できることが分かった。当日は構造計算および伝熱解析の結果について詳細に報告する予定である。