WEOOP02  合同セッション  9月2日 講演会場1 09:40-10:10
RIビームファクトリーのビーム強度増強
Beam-intensity upgrade of RIKEN RI Beam factory
 
○福西 暢尚(理化学研究所仁科加速器科学研究センター)
○Nobuhisa Fukunishi (RIKEN Nishina center)
 
2006年に運転を開始した重イオン加速器施設RIビームファクトリー(RIBF)は、2台の線型加速器、5台のサイクロトロンを有する複合加速器システムで、多様な重イオンビームを加速し世界最大強度の不安定核ビームをユーザーに供給している。ユーザーにとって最重要かつ加速器技術的にも最も加速が難しいウランビームでは、小型の線型加速器と4台のリングサイクロトロンを用い、途中2カ所で荷電変換を行うスキームで核子当り345 MeVまで加速、これを反応させ極めて希少なRIビームを生成している。よって1次ビーム強度がRIBFの最重要性能指標であるが、新規に製作したリングサイクロトロン群は設計通りの性能を発揮しているにも関わらず2008年時点のビーム強度は0.4 pnAに止まり、建設時の加速器構成で想定していた200 pnAに遠く及ばない状況であった。これには多数の要因、イオン源の性能、荷電変換膜の寿命、旧施設から持ち越したサイクロトロン(RRC)における空間電荷制限、加速システム全体の安定性、などが複雑に絡み合っており、これらを順次解決することで、2019年には当初比240倍となる100 pnAレベルの運用を可能とした。本報告ではRIBFのビーム強度増強の鍵となった一連の技術開発及び多段サイクロトロンシステム運用の実際を紹介し、合わせてRIBFの更なる大強度化に向けた展望をお話ししたい。