WEOO07  高周波源・LLRF  9月2日 講演会場1 17:30-17:50
J-PARCリニアックの低電力高周波機器の湿度変動補正
Phase drift correction system of LLRF for humidity at J-PARC Linac
 
○二ツ川 健太,Cicek Ersin,方 志高,福井 佑治(高エネルギー加速器研究機構),平根 達也,篠崎 信一(日本原子力研究開発機構),佐藤 福克(日本アドバンストテクノロジー株式会社)
○Kenta Futatsukawa, Ersin Cicek, Zhigao Fang, Yuji Fukui (KEK), Tatsuya Hirane, Shinichi Shinozaki (JAEA), Yoshikatsu Sato (NAT)
 
J-PARCリニアックでは、2018年頃からリニアック出射の運動量を常時モニタできる体制が整ってきた。その測定値を分析すると、リニアック出射の運動量は低電力高周波制御(LLRF)システムを設置しているクライストロンギャラリの湿度に依存して変動していることが明確になった。恒温恒湿槽を用いてLLRFを構成する機器の湿度依存性を測定した結果、一つの機器だけでもギャラリの環境下で最大で4 deg.程度の変動があり得ることが分かった。LLRFシステムの設置場所の全てにおいて恒温恒湿環境を準備することは困難なことから、一部のステーションに対して恒温恒湿環境の体制を整え、その測定結果を元に湿度によるドリフトの補正を実施することで運動量の安定化を図っている。現在、一部は暫定的な測定器を用いて補正を実施しており、本年の夏期シャットダウン以降から本格的な補正を実施する予定である。本講演では、高周波機器のドリフトの補正に関して、現状と今後の計画を発表する予定である。