WEOO06  高周波源・LLRF  9月2日 講演会場1 17:10-17:30
RCNP AVFサイクロトロンのアップグレードのための詳細設計
Design for the RCNP AVF cyclotron upgrade
 
○福田 光宏,依田 哲彦,神田 浩樹,安田 裕介,中尾 政夫,畑中 吉治,齋藤 高嶺,森信 俊平,田村 仁志,永山 啓一,吉田 英智,阿野 真治,友野 大,鎌野 寛之,木林 満,Koay Hui Wen,森田 泰之,武田 佳次朗,原 隆文,大本 恭平,荘 浚謙,久松 万里子(阪大RCNP),鎌倉 恵太(東大CNS)
○Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Yusuke Yasuda, Masao Nakao, Kichiji Hatanaka, Takane Saito, Shunpei Morinobu, Hitoshi Tamura, Keiichi Nagayama, Hidetomo Yoshida, Shinji Ano, Dai Tomono, Hiroyuki Kamano, Mitsuru Kibayashi, Hui Wen Koay, Yasuyuki Morita, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Kyohei Omoto, Tsun Him Chong, Mariko Hisamatsu (RCNP, Osaka University), Keita Kamakura (CNS, University of Tokyo)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)では、K140 AVFサイクロトロンの高性能化を目指したアップグレードを進めている。2019年度は建屋設備の部分的な改修を行い、ビーム強度を従来の10倍以上に高めるための準備を完了した。2020年6月から既存のAVFサイクロトロンの解体工事が始まり、本体電磁石ヨークやメインコイルを除く大半の機器の更新を2021年2月頃までに終える予定である。入射ビームの高輝度化を目指してイオン源での加速電圧を50kV程度まで増やすための絶縁・耐電圧試験等を進めている。AVFサイクロトロン中心領域へのビーム入射効率を高めるため、入射ビームラインのビーム輸送光学を見直すと共に、インフレクター電極等の中心領域の配置や構造なども全面的に更新する。開き角87度の2つのディー電極を対向させた同軸型ショート板方式の共振器システムを採用し、ループ結合によりRFパワーを入力させる。基本波周波数帯域を従来の2倍の16~36MHzに上げ、加速ハーモニクス2を基本とする加速によりエネルギー利得の増大とターンセパレーションの拡大を目指す。また、サブハーモニック・バンチャーとの組み合わせにより後段のリングサイクロトロンとの整合性を確保し、従来と同じ幅広い加速エネルギー範囲をカバーする。本発表においては、AVFサイクロトロンのアップグレード設計とプロジェクトの進行状況などについて報告する。