WEOO05  電磁石と電源  9月2日 講演会場1 16:30-16:50
J-PARCミューオンg-2/EDM実験のための3次元らせんビーム入射の実証実験の現状報告
The status report of demonstrative experiment of 3D spiral beam injection for J-PARC muon g-2/EDM experiment
 
○平山 穂香,飯沼 裕美(茨城大学),リーマン モハメド アブドゥル(総研大),古川 和朗,大澤 哲,中山 久義,三部 勉(KEK)
○Honoka Hirayama, Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Muhammad Abdul Rehman (SOKENDAI), Kazuro Furukawa, Satoshi Ohsawa, Hisayoshi Nakayama, Tsutomu Mibe (KEK)
 
J-PARCミューオンビームラインでミューオンの異常磁気モーメント(g-2)と電気双極子モーメント(EDM)を測定する超精密実験のために考えられた新しいビーム入射手法である3次元らせん入射技術の開発を進めている。これを実証するために、ミューオンビームの代わりとして電子銃からの80keV電子ビームを82.5ガウスのソレノイド磁場中に入射し、直径24cmの円軌道に蓄積するテスト実験に取り組んでいる。本テスト実験の重要課題は、軸対称なソレノイド磁場中への入射のために、ビーム運動の垂直成分と水平成分を適切に結合(X-Y結合)する技術の確立である。本テスト実験では、輸送区間直線部に任意の回転角に調整できる3つの四極電磁石を配置し、3次元らせん入射に最適なX-Y結合を与えるように設計している。本発表では、電子ビーム源の初期パラメータ測定のために実施したQ-scanをもとに、Twissパラメータやエミッタンス、X-Y結合度の測定結果を議論する。また、ソレノイド磁場中への入射地点におけるX-Y結合度の要求値と、テスト実験ビームライン輸送区間で調整できるX-Y結合度の設計値および実測値の比較をおこなう。さらに、適切なX-Y結合を与えた場合の3次元らせん入射実験による測定結果と、シミュレーションによる予測軌跡との比較をおこない、テスト実験ビームラインにおけるビーム制御の調整精度について議論する。