WEOO03  電磁石と電源  9月2日 講演会場1 15:50-16:10
大強度陽子シンクロトロンにおけるリアルタイムCOD補正システムの開発
Development of real-time COD correction system for the high intensity proton synchrotrons
 
○浅見 高史(東大),栗本 佳典(KEK),小関 忠(KEK/東大)
○Takashi Asami (Univ. of Tokyo), Yoshinori Kurimoto (KEK), Tadashi Koseki (KEK / Univ. of Tokyo)
 
J-PARC メインリング(MR)は陽子を3GeVから30GeVへ加速する大強度陽子シンクロトロンである。その大強度化の最大の障壁は周回する陽子の一部が真空ダクトに衝突しビーム損失が起きることによる機器の放射化である。ビーム損失の原因を探るためにはビーム光学の正確なモデルを立てることが重要であり、加速器構成機器のパラメータの誤差を最小化・補正する手法の開発が不可欠である。MRでは偏向電磁石の200Hz以下の周波数領域の電流リップルがベータトロン振動中心軌道を設計軌道から大きくずらす(Closed Orbit Distortion, COD)ことが示されている。電流リップル由来のCODはパルスごとに再現しないためその補正はリアルタイムに行われる必要がある。我々はその手法としてMRの補正電磁石に常時入力されている電流パターンに、電流リップル由来CODの補正用パターンをリアルタイムで計算し加算するシステムを考案した。本研究では実際にこのような手法で電流リップル由来CODのリアルタイム補正が可能であることを示すため補正電磁石1台に対応するハードウェアのプロトタイプを製作し、システムの原理検証試験を行った。本発表では原理検証試験の詳細及び結果について報告する。