THPP46  ポスターセッション②  9月3日 ポスター会場 13:10-15:10
J-PARC MRアップグレードのための新低磁場セプタム電磁石の開発(6)
The new low-field septum magnet for upgrading of fast extraction in MR J-PARC(6)
 
○芝田 達伸(高エネ研),濵野 慧,中村 健太,川口 祐介(ニチコン),石井 恒次,杉本 拓也,松本 教之,松本 浩,岩田 宗磨(高エネ研),Fan Kuanjun(HUST)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Kei Hamano, Kenta Nakamura, Yusuke Kawaguchi (Nichicon), Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Noriyuki Matsumoto, Hiroshi Matsumoto, Soma Iwata (KEK), Kuanjun Fan (HUST)
 
J-PARC MRでは速い取り出しのビームパワーを750kWを経て1.3MWに増強するためアップグレードが進行中である。ビーム増強のためビームの運転周期を現在の2.48秒から1.16秒への短縮する。MRの入出射用電磁石システムも1.16秒周期への対応のためアップグレードを行っている。現行機の低磁場セプタム電磁石はMR運転開始以降使用を続けているため、セプタムコイルの自身の振動による絶縁破壊が懸念されている。他にもQ成分の漏れ磁場が大きいという問題、ビームパワー増強に伴いビームハローの強度も大きくなると予想されるため磁極のアパーチャーを大きくする必要がある。これらの課題を克服するため、我々は新しい低磁場セプタム電磁石として通常のタイプではなく誘導渦電流型、通称Eddy型という電磁石の導入する。新しい低磁場セプタム電磁石と新しい電源は2014年に製作され、MRエリア内の電源棟内にテストベンチを構築し試験を行っている。2020年5月、電源の出力パルス電流の長期安定性の改善と周回ビームライン上の漏れ磁場軽減である。長期安定性はフィードバックにより±10ppmを達成しているが問題が2つある。電流値を独立に測定した場合に安定性を再現しない事、時々数十ppmの大きな変動が見られる点である。漏れ磁場については磁極末端部に存在する大きな漏れ磁場の軽減が日必要であり磁気遮遮蔽体を追加する試験を行っている。本発表ではこれらの問題の解決とその結果について報告する。