THPP42  ポスターセッション②  9月3日 ポスター会場 13:10-15:10
SuperKEKB加速器真空システムの現状 – 2020bランまでの運転 –
Status of SuperKEKB vacuum system until 2020b run
 
○末次 祐介,柴田 恭,石橋 拓弥(高エネ研, 総研大),白井 満,照井 真司,金澤 健一,久松 広美(高エネ研),姚 慕蠡(総研大)
○Yusuke Suetsugu, Kyo Shibata, Takuya Ishibashi (KEK, SOKENDAI), Mitsuru Shirai, Shinji Terui, Ken-ichi Kanazawa, Hiromi Hisamatsu (KEK), Mulee Yao (SOKENDAI)
 
SuperKEKBは、KEKの電子・陽電子衝突型加速器で、入射器および蓄積リング(Main Ring, MR)から構成される。MRは8 GeV電子用のHigh Energy Ring (HER)と4 GeV陽電子用のLow Energy Ring (LER)から成る。陽電子入射路の途中には、陽電子ビーム特性向上のためのDamping Ring (DR, 1.1GeV)も稼働している。SuperKEKBでは、2019年3月から本格的な衝突実験(Phase-3と呼ぶ)を開始した(2019aラン)。MR、DR真空システムは、試運転(Phase-1)以来Phase-3でもほぼ順調に稼働し、圧力も順調に下がっている。2020年4月からは2020bランが始まり、5月初めの段階でMRの積算ビーム電流は、LER、HERでそれぞれ 2.3 kAh、 2.1 kAhである。ビーム電流は、Belle II測定器のバックグラウンドや衝突運転条件等により適宜変更されるが、2020bランは主に783バンチで運転されており、LER、HERとも500~550 mAである。DRの積算ビーム電流は8.3 Ahである。運転中は、各種真空機器の状況を確認しつつ、運転中発生する様々な問題に対する対応等を行った。ここでは、2020年6月までの2020bラン時の真空システムの状況、および今後に向けた課題等を報告する。