THOT10  光源加速器②  9月3日 講演会場2 16:00-16:20
極短周期アンジュレータの開発と光源性能評価試験 II
Development of a very short period undulator and characterization of the undulator radiation II
 
○山本 樹(高エネ機構・物構研),益田 伸一(高輝度光科学研究センター),細貝 知直(阪大・産研),神門 正城(量研機構)
○Shigeru Yamamoto (KEK-IMSS-PF), Shinichi Masuda (JASRI), Tomonao Hosokai (Osaka Univ., ISIR), Masaki Kando (QST)
 
近年我々は通常数10mmであったアンジュレータの周期長を約1/10に“極短周期化”することを目標にした研究開発を行って来た。周期長の短縮に伴う放射の高エネルギー化が期待できるからである。これまで,周期長4mmを目標に設定し,高精度・高強度のアンジュレータ磁場を生成する方式を開発し,対向させた一対の板状磁石間の隙間(ギャップ)に高精度アンジュレータ磁場(ギャップ1.6mmにおいて約3kG)を生成する方式を確立した。“極短周期”アンジュレータはそれ自体が非常にコンパクトなものになる結果として,光源本体のコンパクト化も期待できる。この意味で,レーザー航跡場を利用したコンパクトな光源開発とも非常に相性が良い。SPring-8 旧SCSS 収納部に建設したレーザー航跡場加速試験施設では,500mm 長磁石を装着した“極短周期”アンジュレータを設置して,レーザー加速電子ビームの開発と併せて放射光生成試験を試みてきた。最近,この施設において100MeV程度のビーム加速に成功し,500mm長10mm周期のアンジュレータから可視領域放射光の生成を確認することができた。放射光観測実験の詳細について報告する。併せて,“極短周期”アンジュレータの実用性を高めるために現在検討している,磁場強度の増強方法についても最新の成果について報告する。