THOO10  ビーム診断・制御②  9月3日 講演会場1 16:00-16:20
J-PARC高運動量ビームライン標的近傍のビームプロファイル測定システム
Beam profile measurement system in the neighborhood of the J-PARC High-momentum beamline target.
 
○武藤 史真,青木 和也,上利 恵三,秋山 裕信,家入 正治,小沢 恭一郎,加藤 洋二,倉崎 るり,小松 雄哉,里 嘉典,澤田 真也,高橋 仁,田中 万博,豊田 晃久,広瀬 恵理奈,皆川 道文,森野 雄平,山野井 豊,渡邉 丈晃(高エネルギー加速器研究機構)
○Fumimasa Muto, Kazuya Aoki, Keizo Agari, Hironobu Akiyama, Masaharu Ieiri, Kyoichiro Ozawa, Yohji Katoh, Ruri Kurasaki, Yusuke Komatsu, Yoshinori Sato, Shinya Sawada, Hitoshi Takahashi, Kazuhiro Tanaka, Akihisa Toyoda, Erina Hirose, Michifumi Minakawa, Yuhei Morino, Yutaka Yamanoi, Hiroaki Watanabe (High Energy Accelerator Research Organization)
 
J-PARCハドロン高運動量ビームラインは、10^10/spill(1spillは約2sec)の30 GeV陽子ビームを輸送し、実験標的に照射する。実験標的には銅標的(80μm)2枚、炭素標的(500μm)1枚を並べて使用する。標的総長は原子核相互作用長の0.2%に相当し、標的での反応数は約10 MHzと想定される。これに加えて、ビームハローにより生成される二次粒子が標的周辺の粒子計測率をさらに高め、これは実験の背景事象となる。実験遂行のためには、標的から僅か20 cm程度の場所に設置される飛跡検出器(Silicon Strip Detector:レート耐性30 kHz/mm^2)での背景事象を低く抑える必要があり、それには、二次粒子の生成源であるビームハローの分布測定が必要不可欠である。 そこで、実験標的近傍でのビームプロファイル測定を行うために、複数のビームプロファイル測定用標的と実験標的を一体化した標的チェンバーの開発をおこなった。一体とした機器は、(1)実験標的、(2)ビーム位置測定用蛍光板、(3)ビーム形測定用散乱標的、(4)実験データ校正用ワイヤー標的であり、低物質量化のために、マイラーによるHe封じ切りで製作した。 本発表では、ビームプロファイル測定用標的と実験標的を一体化した標的チェンバーの開発と、2020年のビームタイムで初めて実測したビーム分布について報告する。