THOO09  ビーム診断・制御②  9月3日 講演会場1 15:40-16:00
J-PARCリニアックDTLの入射マッチング改善に向けた中エネルギービーム輸送系(MEBT1)のビーム測定
Beam measurement of medium energy beam transport line (MEBT1) to improve injection beam matching in J-PARC linac DTL
 
○楊井 京輔(JAEA, 茨大理工),飯沼 裕美(茨大理工),大谷 将士(KEK),近藤 恭弘(JAEA, 茨大理工),平野 耕一郎(JAEA),宮尾 智章(KEK),守屋 克洋(JAEA)
○Kyosuke Yanai (JAEA, Ibaraki Univ.), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Masashi Otani (KEK), Yasuhiro Kondo (JAEA, Ibaraki Univ.), Koichiro Hirano (JAEA), Tomoaki Miyao (KEK), Katsuhiro Moriya (JAEA)
 
現在のJ-PARCリニアックは、初段RFQ出射ビームと比較して2段目のDTL出射ビームのエミッタンスが20~30%増加しており、今後の安定運転やさらなる大電流化に向けてビーム損失による残留放射線の増加等が懸念されている。エミッタンス増加の原因として、DTL入射ビームの不整合が考えられており、解決にはRFQ-DTL間の全長約3mの中エネルギービーム輸送系MEBT1におけるビームの諸パラメータを正確に把握する必要がある。 MEBT1におけるビームの光学計算にはQ-Scan法で測定したRFQ出射ビームのエミッタンスとTwissパラメータを用いているが、この測定の系統誤差が現状では定量的に評価されていない。このため、予備用RFQ試験設備であるRFQテストスタンドを用い、実機と同様にQ-Scan法により測定したエミッタンス及びTwissパラメータの測定結果を、2重スリット型エミッタンスモニタによる測定の結果と比較することで、系統誤差の評価を行った。 また、MEBT1のBPMで得られるビーム重心位置の測定精度にも疑念があり、現在のDTL入射ビーム軌道の制御にも最適化の余地がある。このため、MEBT1の重心位置情報の正確性確認のため、ビームベーストアライメント(BBA)によるBPMの中心確認と、BPM本体の健全性確認を行った。本発表ではこれらのビーム測定の結果を示す。