THOO07  ビーム診断・制御①  9月3日 講演会場1 11:20-11:40
AIによる中空ビーム制御手法の開発
Development of hollow beam control method by AI
 
○森田 泰之,福田 光宏(RCNP),百合 庸介(QST高崎),友野 大,依田 哲彦,神田 浩樹,畑中 吉治,中尾 政夫,安田 裕介(RCNP),中島 悠太(IDS),Koay Hui Wen,武田 佳次朗,原 隆文,大本 恭平,久松 万里子,荘 浚謙(RCNP)
○Yasuyuki Morita, Mitsuhiro Fukuda (RCNP), Yosuke Yuri (QST Takasaki), Dai Tomono, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Kichiji Hatanaka, Masao Nakao, Yusuke Yasuda (RCNP), Yuta Nakashima (IDS), Hui Wen Koay, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Kyohei Omoto, Mariko Hisamatsu, Tsun Him Chong (RCNP)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)では、ミューオン源“MuSIC”での低速ミューオン生成効率の向上のため、中空で円形の陽子ビームを生成して円筒形炭素標的の縁に近い領域へ集中的に照射することを検討している。この中空ビームは多重極電磁石の非線形磁場を用いることで形成できることがこれまでの研究で示されている。しかし、多重極電磁石による中空ビームの生成を解析的に検討する場合において、一般的に用いられる輸送行列計算コードではβ関数などを計算することができず、運動方程式を解いてシミュレーションを行う必要がある。そのため、最適なビーム輸送パラメータを求めるのに時間がかかり、理想のビーム形状やビーム径を実現できるよう短時間で調整を行うのは非常に困難である。そこで画像認識技術と強化学習を用いた人工知能(AI)技術を応用した中空ビームの形状やサイズの制御手法の開発を行った。まず、シミュレーションで得られた粒子密度分布を画像認識技術により解析し、目標とする分布とビームの形状やサイズの比較を行う。その後、その結果を踏まえ電磁石のK値を変更し、目標の形状およびサイズに近づけていく。その際、K値の変更の際に強化学習を応用することでK値とビームの形状や半径の関係を自ら学び、より効率的かつ正確な制御を実現する。本発表では、MuSICへの中空ビーム照射のビームライン設計の現状とAIを用いた制御手法の開発状況に関して述べる。