THOO03  加速器応用・産業利用  9月3日 講演会場1 09:40-10:00
超伝導BNCTシステムの検討
Basic feasibility study for superconducting BNCT system
 
○片山 領,加古 永治,山口 誠哉,道園 真一郎,梅森 健成(高エネルギー加速器研究機構),近藤 恭弘(日本原子力研究開発機構)
○Ryo Katayama, Eiji Kako, Seiya Yamaguchi, Shinichiro Michizono, Kensei Umemori (KEK), Yasuhiro Kondo (JAEA)
 
超伝導空洞を用いたBNCT用の加速器型中性子源の実現可能性について検討した。BNCTでは患者の治療時間短縮のため10^9 neutrons/cm2/s を産出できる中性子源が必要となる。超伝導空洞は表面抵抗が著しく低いため連続ビーム運転と経済性の両立が可能であり、陽子もしくは重陽子ビームを用いて十分な量の中性子数を確保できる見込みがある。また、経験的に Kilpatrick の放電限界を受けないことから従来にない大胆な設計を取れる可能性がある。そこで、本研究でイオン源とLEBTとRFQのみで構成された最も単純な系を想定したビームダイナミクスシミュレーションを行い、表面発熱による冷凍機負荷、システムに要するRFQの設計、達成できるビーム電流値を総合的に評価して超伝導BNCTシステムの実現可能性を調査した。本発表で当該シミュレーション研究で得られた内容について報告する。