FRSP07  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
筑波大学タンデム加速器施設の現状報告
Status report of the tandem accelerator complex at the University of Tsukuba
 
○笹 公和,石井 聡,高橋 努,大和 良広,田島 義一,松村 万寿美,森口 哲朗,上殿 明良(筑波大応用加速器)
○Kimikazu Sasa, Satoshi Ishii, Tsutomu Takahashi, Yoshihiro Yamato, Yoshikazu Tajima, Masumi Matsumura, Tetsuaki Moriguchi, Akira Uedono (UTTAC)
 
 筑波大学研究基盤総合センター応用加速器部門(UTTAC)では、6 MVタンデム加速器と1 MVタンデトロン加速器からなる複合タンデム加速器施設の維持管理と運用、および学内外との共同利用研究を推進している。6 MVタンデム加速器は、5台の負イオン源と12本のビームラインを有している。2019年度は学内課題11件、学外共用課題3件(成果専有課題1件を含む)が採択されており、112日間のマシンタイムを実施した。加速器稼働時間は1349.7時間であり、ビーム加速時間は1036.6時間であった。6 MVタンデム加速器の主な利用分野は、加速器質量分析(AMS)とマイクロビームを用いたイオンビーム分析(IBA)及びラムシフト型偏極負イオン源(PIS)からの偏極陽子ビームを用いた原子核実験などである。また、宇宙用素子の放射線耐性試験装置について本格的な運用を開始している。1 MVタンデトロン加速器については、2019年3月の加速器整備時に加速器本体のアライメントを実施した。アライメントの結果として、ビーム透過率が東日本大震災以前の状態より改善した。2019年度は、台風19号による浸水により、中性子用モニタリングポストと純水冷却水用チラーが破損した。この影響により、1MVタンデトロン加速器が1か月ほど稼働を停止した。なお、これらの故障した加速器周辺装置は、2020年度中の更新を予定している。本報告では、加速器の整備と運用状況およびビーム実験装置の開発状況について報告する。