FRSP01  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
KEKコンパクトERLの現状
Present status of the compact ERL at KEK
 
○加藤 龍好(KEK)
○Ryukou Kato (KEK)
 
エネルギー回収型線形加速器(Energy Recovery Linac, ERL)の小型実証機として建設されたコンパクトERL(cERL)は、昨年度から応用超伝導加速器センター(CASA)の管理下となり、超伝導加速器技術・ERL技術の産業応用を念頭に置いた運用を目指している。昨年度は、民間資金の導入によって建設された照射部ビームラインを用いて、4月・6月・10月に核医学用検査用のRI製造やアスファルトの長寿命化の基礎的な研究が行われた。またNEDOの競争的資金によって進められてきた中赤外FELの開発は、今年2月にFELシステムを構成する2台のアンジュレータのうち1台の設置が完了し、3月にはFEL発振の試験運転が行われた。その後、4月・5月で2台目のアンジュレータも設置され、6月にはFELシステム全体を使用した発振実験が予定されている。ここでは2019年度のコンパクトERLの保守・維持の状況と、ビーム運転により得られた研究成果の概略について報告する。