FRPP46  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
g-2/EDM精密計測用超電導磁石内設置能動磁気遮蔽型ステアリング磁石の試設計
Trial design of a steering magnet to be placed in Muon Storage Magnet for g-2/EDM precision Measurement
 
○阿部 充志,萩津 透,齊藤 直人,佐々木 憲一,三部 勉,中山 久義(高エネ研),飯沼 裕美(茨城大)
○Mitsushi Abe, Toru Ogitsu, Naohito Saito, Ken-ichi Sasaki, Tsutomu Mibe, Hisayoshi Nakayama (KEK), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.)
 
J-PARCではミューオンの磁気・電気モーメント高精度測定の準備を進めている。ミューオンを周回・蓄積するシリンダー状の領域(断面3cm幅、10cm高で直径66.6cm)に高磁場(3.0T)で超高均一磁場(磁場振幅±0.1ppm、均一度0.2ppm)を持つビーム蓄積用磁石(MBSM: Muon Beam Storage Magnet)を用いる。ミューオンを磁石上部から鉄yoke中の通過穴を通り、フリンジ磁場で軸方向の粒子速度を減速させ、キッカー磁石で蓄積領域にとどめる螺旋入射を行う。しかし、磁石には製作・組み立て誤差があり、設計磁場に誤差磁場が加わる。また、弱集束磁場コイルによる磁場も、螺旋入射にとっては誤差磁場となり得る。このような誤差磁場が入射に与える影響を補正するために、フリンジ磁場領域にBL積±0.001Tmのダイポール磁場を持つステアリング磁石(STM)を設置する計画である。このSTMは、鉄yoke温度上昇と周囲の構造物や鉄yokeとの磁気的相互作用による新たな誤差磁場を避けるために、能動遮蔽(AS: Active Shield)機能を持つSTM(ASSTM)となり、らせん入射に同期(25Hz)したパルス通電を行う。試設計を行い、どのような規模の磁石であるかを推定した。その結果、直径10cm、長さ17cm、発熱量1W以下の磁石を30A・120V電源で駆動でき、MBSM内に配置可能な見通しを得た。